【映画】この世界の片隅に(2016)
「この世界の片隅に」(2016)
監督:片淵須直
声の出演:のん、細谷佳正、小野大輔
こうの史代の漫画を原作としたアニメーション。
広島の呉を舞台に、戦前・戦中・戦後を生きた一人の女性の半生を辿る物語。
一般から製作費の一部を募るクラウドファンディングの、最も成功した例として話題になっている。
当初2千万円を目標に行われたが、わずか8日余りで目標額に到達し、その後約3か月の間に総額3千6百万円余りの支援が集まった。
当初63館という小規模上映だったものが、大半の映画館で満席・立ち見が相次ぎ、上映期間も延長された。
国内の公開館は200館を超え、世界18か国での上映も予定されている。
広島の江波に住む少女・すずは、周りからはいつもボーっとしていると言われる絵が好きな女の子。
海苔の養殖業を営む両親と、年子の妹・すみと共に平和に暮らしていた。
戦争の足音が忍び寄る中、学校に、家業にと、ごく平凡な暮らしをしていた。
やがて年頃になり、すずの元に縁談が持ち上がる。
相手がいい人かどうかも分からぬまま、呉に住む北条家に嫁に行くことになり、海軍鎮守府録事の北条周作の妻となり、北条すずとなった。
優しい義父母、物静かな夫、出戻りで口うるさい義姉の径子、その娘の晴美と共に、日々の生活に奮闘しながら、ささやかな幸せに満ちた生活が始まった。
戦局は悪化し、物価は上昇し、食べる物も無くなっていき、配給も止まるようになるが、野草を摘んだり、隣組から教わった料理で何とか食い繋ぎ、それなりに楽しい生活が続いていた。
やがて最大の軍港として名を馳せた呉はアメリカ軍の標的となり、度重なる空襲を受けるようになる。
映画館で観るアニメーション映画は、子供の頃に観た「機動戦士ガンダム・劇場版」や「伝説巨神イデオン・劇場版」以来、30数年振りかも。
戦争中の出来事として描かれているものの、大部分は喜劇として描かれているところが本作の特徴であり本質。
戦争の時代が特別なのではなく、戦前も戦後も同じ時間軸の物語として、人間の?がりを普遍的に輝かせた傑作中の傑作。
実に映画的な表現方法で彩られ、特に主役のすずの声を演じた「のん」の存在感は圧倒的。
原作漫画以上の視覚効果と、映画ならではの「音」というエレメントが融合して、ある意味原作以上のものに仕上がっている。
オレは2016年12月にこの映画を観て、すぐさま二回目の鑑賞を決意。
二回目の鑑賞終わった後、本屋に駆け込んで原作漫画を全巻即購入した。
原作を読み終えた後、改めて映画を鑑賞。
この時は立ち見が出るほどの超満員。
映画では描かれなかったところに、本作の核のひとつがあったりするので、その点はちょっと残念に思ったが、その描かれなかった核の部分は、状況を示唆する描写があるので、よ~く観ていれば分かる。
そして、盛況につき上映期間延長が決定したことを受けてさらに一回。
ついには終了日未定という、要するに上映期間再延長の措置が取られたのを機に、さらに一回。
今日までに五回映画館に足を運び、その全てで号泣。
終了後もしばらく椅子から立てなかった。
近年、新作でこれ程までに何回も通った映画は無かった。
2003年の韓国映画「殺人の追憶」以来かも知れない。
こういった人達の歩んできた人生が、今の自分たちの生活の下支えになっている事を思い知らされる。
戦争映画ではあるが戦争の映画ではなく、戦争という時代を生きた人々と一緒にその時代を生活する映画だ。
まだまだこれから上映館が増えて、上映期間が延長されることだろうが、映画館で観られるチャンスがあるうちは何回でも足を運びそうだ。
クラウドファンディングに出資出来なかったことは悔しいが、その代わりに映画を観に行く事によってこの映画を支持していきたいと思う。
そして既に「Blu-Ray購入決定」の映画となった。
大袈裟じゃなく、これは観ないと損する映画だ。
この映画を観たという経験こそが貴重なものとなった。
「面白いのか?」と聞かれて、「面白い」と答えるようなテーマの映画ではないが、単に映画として観るならば、自信を持って「面白い」とおススメ出来る映画だ。
10年、20年、いや、30年に1本の超傑作だ。
監督:片淵須直
声の出演:のん、細谷佳正、小野大輔
こうの史代の漫画を原作としたアニメーション。
広島の呉を舞台に、戦前・戦中・戦後を生きた一人の女性の半生を辿る物語。
一般から製作費の一部を募るクラウドファンディングの、最も成功した例として話題になっている。
当初2千万円を目標に行われたが、わずか8日余りで目標額に到達し、その後約3か月の間に総額3千6百万円余りの支援が集まった。
当初63館という小規模上映だったものが、大半の映画館で満席・立ち見が相次ぎ、上映期間も延長された。
国内の公開館は200館を超え、世界18か国での上映も予定されている。
広島の江波に住む少女・すずは、周りからはいつもボーっとしていると言われる絵が好きな女の子。
海苔の養殖業を営む両親と、年子の妹・すみと共に平和に暮らしていた。
戦争の足音が忍び寄る中、学校に、家業にと、ごく平凡な暮らしをしていた。
やがて年頃になり、すずの元に縁談が持ち上がる。
相手がいい人かどうかも分からぬまま、呉に住む北条家に嫁に行くことになり、海軍鎮守府録事の北条周作の妻となり、北条すずとなった。
優しい義父母、物静かな夫、出戻りで口うるさい義姉の径子、その娘の晴美と共に、日々の生活に奮闘しながら、ささやかな幸せに満ちた生活が始まった。
戦局は悪化し、物価は上昇し、食べる物も無くなっていき、配給も止まるようになるが、野草を摘んだり、隣組から教わった料理で何とか食い繋ぎ、それなりに楽しい生活が続いていた。
やがて最大の軍港として名を馳せた呉はアメリカ軍の標的となり、度重なる空襲を受けるようになる。
映画館で観るアニメーション映画は、子供の頃に観た「機動戦士ガンダム・劇場版」や「伝説巨神イデオン・劇場版」以来、30数年振りかも。
戦争中の出来事として描かれているものの、大部分は喜劇として描かれているところが本作の特徴であり本質。
戦争の時代が特別なのではなく、戦前も戦後も同じ時間軸の物語として、人間の?がりを普遍的に輝かせた傑作中の傑作。
実に映画的な表現方法で彩られ、特に主役のすずの声を演じた「のん」の存在感は圧倒的。
原作漫画以上の視覚効果と、映画ならではの「音」というエレメントが融合して、ある意味原作以上のものに仕上がっている。
オレは2016年12月にこの映画を観て、すぐさま二回目の鑑賞を決意。
二回目の鑑賞終わった後、本屋に駆け込んで原作漫画を全巻即購入した。
原作を読み終えた後、改めて映画を鑑賞。
この時は立ち見が出るほどの超満員。
映画では描かれなかったところに、本作の核のひとつがあったりするので、その点はちょっと残念に思ったが、その描かれなかった核の部分は、状況を示唆する描写があるので、よ~く観ていれば分かる。
そして、盛況につき上映期間延長が決定したことを受けてさらに一回。
ついには終了日未定という、要するに上映期間再延長の措置が取られたのを機に、さらに一回。
今日までに五回映画館に足を運び、その全てで号泣。
終了後もしばらく椅子から立てなかった。
近年、新作でこれ程までに何回も通った映画は無かった。
2003年の韓国映画「殺人の追憶」以来かも知れない。
こういった人達の歩んできた人生が、今の自分たちの生活の下支えになっている事を思い知らされる。
戦争映画ではあるが戦争の映画ではなく、戦争という時代を生きた人々と一緒にその時代を生活する映画だ。
まだまだこれから上映館が増えて、上映期間が延長されることだろうが、映画館で観られるチャンスがあるうちは何回でも足を運びそうだ。
クラウドファンディングに出資出来なかったことは悔しいが、その代わりに映画を観に行く事によってこの映画を支持していきたいと思う。
そして既に「Blu-Ray購入決定」の映画となった。
大袈裟じゃなく、これは観ないと損する映画だ。
この映画を観たという経験こそが貴重なものとなった。
「面白いのか?」と聞かれて、「面白い」と答えるようなテーマの映画ではないが、単に映画として観るならば、自信を持って「面白い」とおススメ出来る映画だ。
10年、20年、いや、30年に1本の超傑作だ。
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バーモントカップ2017、迫る
いよいよ新チームの初陣となる、バーモントの地区予選が始まる。
例年以上に選手が揃っている今回は、楽観視は出来ないにしても、期待が持てるチームになっている。
ここしばらく事情でチームを見る事が出来ていなかったが、先日一戸、浄法寺との3チームで練習試合を行った。
実力的に負ける雰囲気は少なかったものの、やはり気が抜けるところ、修正点等多々あった。
一番恐れている事は、相手をナメてかかる事だ。
実力的に相手よりも強いんだという自覚を持つ事はいい。
だがそれが慢心となって、ありえないミスや、しなくてもいい失点に繋がることは充分に考えられる。
手前味噌的に考えれば、県大会でもかなりの所まで行ける力はあると思う。
それを活かすも殺すも、自分達の心構え次第だという事を忘れて欲しくない。
相手よりも上だと思ってはいけない。
結果が出るまではどちらが上かわからないし、上が下に勝てないなんて誰にも言えない。
戦術や技術というものを教えていく側の発言としては不適切かも知れないが、結局のところ全ては「気持ち」だ。
勝ちたいと思うのなら、それに見合うだけの努力をしなければならないし、負けてもいいやと思うのなら、勝ちたいと思っているチームメイトの邪魔をするな。
厳しい事を言うようだが、これは勝負事だ。
自分に勝とうとしないヤツが相手に勝てるわけがない。
毎回書くけど、もちろん勝つことを目的にしてはいけない。
勝つことは目標であり、目的とは目標を達成するための手段として何をしなければならないかを自問自答する事だ。
厳しい戦いに身を置くものとして、最低限の心構えを持っておいてくれよ。
さて、どこまで出来るかな???
例年以上に選手が揃っている今回は、楽観視は出来ないにしても、期待が持てるチームになっている。
ここしばらく事情でチームを見る事が出来ていなかったが、先日一戸、浄法寺との3チームで練習試合を行った。
実力的に負ける雰囲気は少なかったものの、やはり気が抜けるところ、修正点等多々あった。
一番恐れている事は、相手をナメてかかる事だ。
実力的に相手よりも強いんだという自覚を持つ事はいい。
だがそれが慢心となって、ありえないミスや、しなくてもいい失点に繋がることは充分に考えられる。
手前味噌的に考えれば、県大会でもかなりの所まで行ける力はあると思う。
それを活かすも殺すも、自分達の心構え次第だという事を忘れて欲しくない。
相手よりも上だと思ってはいけない。
結果が出るまではどちらが上かわからないし、上が下に勝てないなんて誰にも言えない。
戦術や技術というものを教えていく側の発言としては不適切かも知れないが、結局のところ全ては「気持ち」だ。
勝ちたいと思うのなら、それに見合うだけの努力をしなければならないし、負けてもいいやと思うのなら、勝ちたいと思っているチームメイトの邪魔をするな。
厳しい事を言うようだが、これは勝負事だ。
自分に勝とうとしないヤツが相手に勝てるわけがない。
毎回書くけど、もちろん勝つことを目的にしてはいけない。
勝つことは目標であり、目的とは目標を達成するための手段として何をしなければならないかを自問自答する事だ。
厳しい戦いに身を置くものとして、最低限の心構えを持っておいてくれよ。
さて、どこまで出来るかな???
【映画】初恋のきた道(1999年)
「初恋のきた道」(1999年)
監督:チャン・イーモウ
出演:チャン・ツィイー、チョン・ハオ
文化大革命の時代を生きた母親の、回想録の形で描かれる淡い恋の物語。
いまやセレブにまで上り詰めた女優、チャン・ツィイーのデビュー作となる中国映画。
村の教師を長年務めてきた父の訃報を聞き、実家に帰ってきた息子。
悲しみにくれる母親は、父との思い出の詰まった学校に佇む。
葬儀のために町の病院から亡骸を運ぼうとするが、母親は昔の風習である「歩き」での搬送を希望する。
冬の雪道で、トラクターでも半日かかる道程に、村の人達から無理だと諭してくれと頼まれる。
しかし母親の意思は岩のように固く、棺に掛ける布を織り始める。
そして父と母の若き日を回想する。
兎にも角にも、主演のチャン・ツィイーの可憐さ、可愛らしさを堪能する映画。
好きになった男のために、自分の料理を食べてもらいたい気持ちで色々と工夫と画策をめぐらしたり、目立つ服装に着飾ったり、わざわざ家から遠い学校付近の井戸を使ったりと、さりげないアピールのひとつひとつが可愛らしい。
田舎の冴えない服装であるのに、自分の気持ちに正直に生きる姿に、どんどん可愛く見えていく不思議。
間違いなくチャン・ツィイーの女優としての力量だろう。
女性が見たら、ある意味したたかに見えるかも知れない。
「可愛いふりしてあの娘、割とやるもんだね、と」という、あみんの「待つわ」的に見える人もいるだろう。
だが、間違いなく男はこういう女性が好きなのだろう。
チャン・ツィイーの、チャン・ツィイーを観るための、そして大概の男は「やられる」映画だ。
元祖「萌え」映画かも知れない。
監督:チャン・イーモウ
出演:チャン・ツィイー、チョン・ハオ
文化大革命の時代を生きた母親の、回想録の形で描かれる淡い恋の物語。
いまやセレブにまで上り詰めた女優、チャン・ツィイーのデビュー作となる中国映画。
村の教師を長年務めてきた父の訃報を聞き、実家に帰ってきた息子。
悲しみにくれる母親は、父との思い出の詰まった学校に佇む。
葬儀のために町の病院から亡骸を運ぼうとするが、母親は昔の風習である「歩き」での搬送を希望する。
冬の雪道で、トラクターでも半日かかる道程に、村の人達から無理だと諭してくれと頼まれる。
しかし母親の意思は岩のように固く、棺に掛ける布を織り始める。
そして父と母の若き日を回想する。
兎にも角にも、主演のチャン・ツィイーの可憐さ、可愛らしさを堪能する映画。
好きになった男のために、自分の料理を食べてもらいたい気持ちで色々と工夫と画策をめぐらしたり、目立つ服装に着飾ったり、わざわざ家から遠い学校付近の井戸を使ったりと、さりげないアピールのひとつひとつが可愛らしい。
田舎の冴えない服装であるのに、自分の気持ちに正直に生きる姿に、どんどん可愛く見えていく不思議。
間違いなくチャン・ツィイーの女優としての力量だろう。
女性が見たら、ある意味したたかに見えるかも知れない。
「可愛いふりしてあの娘、割とやるもんだね、と」という、あみんの「待つわ」的に見える人もいるだろう。
だが、間違いなく男はこういう女性が好きなのだろう。
チャン・ツィイーの、チャン・ツィイーを観るための、そして大概の男は「やられる」映画だ。
元祖「萌え」映画かも知れない。
【音楽】中国女/イエロー・マジック・オーケストラ(1978)
実にのんびりした新年を迎えた。
実家に行く以外に一歩も外に出ない元日。
今年はこんな穏やかな年になることを祈ろう。
「中国女/イエロー・マジック・オーケストラ(1978)」
2017年の始まりもY.M.O.ではじめよう。
みなさん、よろしく。
「Le Femme Chinoise/YELLOW MAGIC ORCHESTRA」
実家に行く以外に一歩も外に出ない元日。
今年はこんな穏やかな年になることを祈ろう。
「中国女/イエロー・マジック・オーケストラ(1978)」
2017年の始まりもY.M.O.ではじめよう。
みなさん、よろしく。
「Le Femme Chinoise/YELLOW MAGIC ORCHESTRA」