fc2ブログ

細野晴臣 ライブツアー2017 in 盛岡

なんと、あの細野晴臣がライブで盛岡にやってきた。
ニューアルバム発売に合わせてのツアーで、盛岡がラインナップされていたのだ。
70歳も過ぎた細野さんのライブを見る機会など、この先盛岡では無いかも知れないという事で、早速チケット購入に取り掛かったのだが、軒並み「SOLD OUT」の文字が・・・。
どこへ行ってもチケットは無く、情報を入手したのが遅かったこともあって、諦めざるを得なかった。
だが2日後、ダメもとで問合せしたところ、1枚確保する事が出来た。
当然即買い。
ということで、ライブ当日と相成った訳である。

今回のライブは、ニューアルバムのツアーでもあるため、ニューアルバムのコンセプトである「スウィング」、「ブギウギ」が中心となった。
音楽ジャンルはスウィングとブギウギだが、そこには「細野ワールド」とか言い様のない独特な世界が広がっていた。
さすがは半世紀にも渡って、日本の音楽シーンをリードしてきた重鎮だけあって、そのパフォーマンスは圧倒的だった。
まさに奇跡のようなライブだった。

ということで、ライブでは残念ながら演奏しなかったが、ソロワークとしての代表曲を貼り付けておこう。
名盤「はらいそ」より。
このアルバム、ベース・細野晴臣、キーボード・坂本龍一、ドラム・高橋幸宏という、のちにYMOを結成する3人が、YMO以前に初めて揃ってセッションしたものである。
今はこういう独特の感性を持つミュージシャンが現れなくなったなぁ。
「はらいそ/細野晴臣(1978)」


余談だが、なぜ諦めたチケットが手に入ったかというと、チケットの売れ行きを考慮して、本来客席の後ろ側に設置する機材スペースを開放してくれたからなのである。
細野さんが提案してくれたのかどうかはわからないが、お陰でライブを観る事が出来たということで、何ともありがたい話である。
またひとつ、生涯で記憶に残るライブ体験が出来た。

「PARAISO/HARRY HOSONO」
スポンサーサイト



【映画】この世界の片隅に(2016)

「この世界の片隅に」(2016)

監督:片淵須直
声の出演:のん、細谷佳正、小野大輔

こうの史代の漫画を原作としたアニメーション。
広島の呉を舞台に、戦前・戦中・戦後を生きた一人の女性の半生を辿る物語。
一般から製作費の一部を募るクラウドファンディングの、最も成功した例として話題になっている。
当初2千万円を目標に行われたが、わずか8日余りで目標額に到達し、その後約3か月の間に総額3千6百万円余りの支援が集まった。
当初63館という小規模上映だったものが、大半の映画館で満席・立ち見が相次ぎ、上映期間も延長された。
国内の公開館は200館を超え、世界18か国での上映も予定されている。

広島の江波に住む少女・すずは、周りからはいつもボーっとしていると言われる絵が好きな女の子。
海苔の養殖業を営む両親と、年子の妹・すみと共に平和に暮らしていた。
戦争の足音が忍び寄る中、学校に、家業にと、ごく平凡な暮らしをしていた。
やがて年頃になり、すずの元に縁談が持ち上がる。
相手がいい人かどうかも分からぬまま、呉に住む北条家に嫁に行くことになり、海軍鎮守府録事の北条周作の妻となり、北条すずとなった。
優しい義父母、物静かな夫、出戻りで口うるさい義姉の径子、その娘の晴美と共に、日々の生活に奮闘しながら、ささやかな幸せに満ちた生活が始まった。
戦局は悪化し、物価は上昇し、食べる物も無くなっていき、配給も止まるようになるが、野草を摘んだり、隣組から教わった料理で何とか食い繋ぎ、それなりに楽しい生活が続いていた。
やがて最大の軍港として名を馳せた呉はアメリカ軍の標的となり、度重なる空襲を受けるようになる。

映画館で観るアニメーション映画は、子供の頃に観た「機動戦士ガンダム・劇場版」や「伝説巨神イデオン・劇場版」以来、30数年振りかも。
戦争中の出来事として描かれているものの、大部分は喜劇として描かれているところが本作の特徴であり本質。
戦争の時代が特別なのではなく、戦前も戦後も同じ時間軸の物語として、人間の?がりを普遍的に輝かせた傑作中の傑作。
実に映画的な表現方法で彩られ、特に主役のすずの声を演じた「のん」の存在感は圧倒的。
原作漫画以上の視覚効果と、映画ならではの「音」というエレメントが融合して、ある意味原作以上のものに仕上がっている。
オレは2016年12月にこの映画を観て、すぐさま二回目の鑑賞を決意。
二回目の鑑賞終わった後、本屋に駆け込んで原作漫画を全巻即購入した。
原作を読み終えた後、改めて映画を鑑賞。
この時は立ち見が出るほどの超満員。
映画では描かれなかったところに、本作の核のひとつがあったりするので、その点はちょっと残念に思ったが、その描かれなかった核の部分は、状況を示唆する描写があるので、よ~く観ていれば分かる。
そして、盛況につき上映期間延長が決定したことを受けてさらに一回。
ついには終了日未定という、要するに上映期間再延長の措置が取られたのを機に、さらに一回。
今日までに五回映画館に足を運び、その全てで号泣。
終了後もしばらく椅子から立てなかった。
近年、新作でこれ程までに何回も通った映画は無かった。
2003年の韓国映画「殺人の追憶」以来かも知れない。
こういった人達の歩んできた人生が、今の自分たちの生活の下支えになっている事を思い知らされる。
戦争映画ではあるが戦争の映画ではなく、戦争という時代を生きた人々と一緒にその時代を生活する映画だ。
まだまだこれから上映館が増えて、上映期間が延長されることだろうが、映画館で観られるチャンスがあるうちは何回でも足を運びそうだ。
クラウドファンディングに出資出来なかったことは悔しいが、その代わりに映画を観に行く事によってこの映画を支持していきたいと思う。
そして既に「Blu-Ray購入決定」の映画となった。

大袈裟じゃなく、これは観ないと損する映画だ。
この映画を観たという経験こそが貴重なものとなった。
「面白いのか?」と聞かれて、「面白い」と答えるようなテーマの映画ではないが、単に映画として観るならば、自信を持って「面白い」とおススメ出来る映画だ。
10年、20年、いや、30年に1本の超傑作だ。

【映画】男と女(1966)

「男と女」(1966)

監督:クロード・ルルーシュ
出演:ジャン=ルイ・トランティニャン、アヌーク・エーメ

1966年、カンヌ映画祭でグランプリを受賞した、フランスの恋愛映画の傑作。
監督のクロード・ルルーシュは、これまで無名の存在だったものの、この一本で一躍フランスを代表する映画監督に数えられることになった。
「ダバダバダ」というスキャットが全編に流れるメインテーマは、数えきれないほどの様々なアーティストによってカバーされる名曲中の名曲。
音楽を担当したフランシス・レイも、この映画をきっかけに作曲家としての地位を確立した。

映画製作のスクリプターとして働くアンヌは、寄宿学校に娘を預け、パリで一人暮らしをしていた。
ある日、寄宿舎まで娘を送ったアンヌは、パリ行の電車に乗り遅れてしまう。
同じ寄宿舎に息子を預けるジャン=ルイは、電車に乗り遅れたアンヌをパリまで送ることになった。
思いがけない出会いを迎えたのだが、2人には悲しくも断ち切れない過去があった。



この映画の音楽は、オレが保育所に通っていた頃から既に知っていた。
父親の8トラックのカーステレオに差し込まれていた、ポール・モーリアの音楽集に収録されていて、スキーや買い物に出かける時にはよく聴いていた。
映画自体は、中3だったか高1の時に初めて全編を通して観賞し、オレの恋愛観が全て変わった。
それまでは「恋に恋する青春時代」だったものが、この映画に惹かれた事によって「大人の恋愛」に憧れるようになった。
今観てもその時の感覚は変わらず、「フランスは大人の国」というイメージが定着してしまっている。
幸運にも、20年位前、5年前、そして今と、生涯で3回も映画館で観る事が出来た。
この映画での2人の予想される年齢設定からは、既に10歳以上も歳を食ってしまっているのだが、こんな風な大人の立ち振る舞いは一生かかっても出来ないだろうなぁ。
ラストシーンではいつも涙が流れてしまう。
とにかく、ひたすら影響された映画で、オレの中の「フランスのイメージ」そのものになっている。
オレの「生涯の10本」に入るほどの好きな映画である。



「UN HOMME ET UNE FEMME」
訪問者数
プロフィール

faccer

Author:faccer
Be Water,My Friend.

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR